「重金属」体内汚染の真実〜本当のデトックスのすすめ〜 大森隆史 東洋経済新聞社


○読後ひとこと
これから分子整合医学を考えていくと足りないもの(栄養・ホルモンなど)を補う前に、本来は身体にあるべきじゃない物(大便・重金属・有害物質など)を取り除いてあげることが重要なんじゃないかと。
要らない物(あるいは身体にとって有害な物)が身体にあった状態では、どれだけ良いものを取り込もうとしたところで、それらが入り込む余地はないし、入り込むことを妨害されてしまうだろう。

これからは高品質なサプリメントを摂取する前に、腸内環境を整える、そして身体(細胞)に対してデットクス・キレーションを行う必要は格段に増えるだろうし増え続けていくでしょう。





「重金属」体内汚染の真実 ―ほんとうのデトックスのすすめ (プレミア健康選書)

「重金属」体内汚染の真実 ―ほんとうのデトックスのすすめ (プレミア健康選書)


デトックスで健康を取り戻す

現代人はみなどこかに不調を抱えているから健康になりたいし、身体の事が心配でたまらないということなのでしょう
しかし、流行に乗って健康にいいものを追い求めても、それほど目覚しい効果は現われてこないものです。
有害物質によって現われる不調は、有害物質を除去しなければ回復できないからです。
けれども原因が水銀、鉛、カドミウムなど有害ミネラルにあることに気づく人はごくわずかなのです







アマルガム

ある研究では歯科治療に使われたアマルガムは3年以内に劣化しはじめ10年後には総重量のおよそ73%が減少するといわれています。
つまり、アマルガムは口の中で腐食しつづけて水銀が体内に吸収されると言うのです

アマルガムが腐食するのは、ひとつは、唾液が電解液として作用するためです。
もう一つとは、野菜や果物など、飲食物に含まれる酸が原因で化学反応を起こすのも原因になっています。
また、ものを噛むときに摩擦が生じ、その熱でアマルガムに含まれている水銀が蒸発、水銀蒸気が発生するとも言われています。

口の中に流れだした水銀は他の歯科材料でおきる金属アレルギーと同じように、イオン化して体内に入っていきます。
金属から溶け出した陽イオンが金属と直接触れている舌や唇、歯茎などの部分に反応すると炎症を起こします。





■危険なのは水道管から溶け出す鉛

鉛の汚染も深刻です。

日本の水道管は、鉛管だったのは有名な話。

鉛管の問題は解決しよたように思われていますが、
ステンレス管に交換されているのは浄水場から本管部分で、
各家庭への引きこみ管は、ほとんどが鉛管のままだそうです。

鉛は浄水器をつけても安心とはいえず、逆浸透膜浄化水装置「ROS」が確実。1台20万円程度。

鉛は吸着された大部分が骨に沈着。
様々な中毒症状以外にも発がん性、不妊の原因とも言われてます。
少年院の子供達の骨には鉛が多く蓄積されていたというデータあり。

またフッ素が鉛の吸収を促進。
虫歯を防いでくれる薬品と思っている人が多いのですが、
フッ素論争は50年以上も続いているそうです。




カドミウムーーイタイイタイ病

カドミウムはまず腎臓、そして甲状腺にも影響して骨からカルシウムを放出するように作用します。
その結果、骨粗しょう症のように骨が脆く。

日本は世界最大のカドミウム消費国。
主な使用源はニッカド電池で、年間7000トンを消費しているそうです。

廃棄されたニッカド電池が、焼却されたり、埋められたりして、雨水に混ざって環境に排出。
土壌を汚染し、作物を汚染する。

日本人が摂取しているカドミウムは、主に食品からで、1日30〜50マイクログラム。
その値は欧米諸国の2倍強。

半分以上は、主食である米からという事実に愕然です。






■身体から排出しなければデットクスにならない

ちなみに体から排出される有害ミネラルは、
便 75%
尿 20%
汗 3%
毛髪 1%
爪 1%

便秘はしない、汗をかく、爪の先をもみほぐすことも有効だそうです。



■食生活と子どもの問題行動との関係

水銀や鉛、カドミウムといた有害物質は、発達途上にある子どもに対しては、キレやすく、判断力を欠き、考えるよりも行動に走るなど、
問題行動のもとになりますが、大人たちに対しては、うつ病のように理由もない不安感にとらわれたり、落ち込んだり、あるいはすぐに怒りを爆発させるといった、
心の病んだ状態に導いているのです。

大人の場合はすでに脳の成長が終わっています。
それなのに有害物質の影響を受けてしまうのは、ひとつには蓄積した有害物質を排泄する能力に問題があることが考えられますし、
もうひとつは食事から摂取する栄養のバランスが偏っているために有害物質に対する感受性が高くなっていることが考えられます。

実は、有害物質を排泄する力と栄養バランスの問題は表裏一体で、本来、身体が必要とする栄養素を過不足なく摂っていれば、
身体は自然に有害物質を排除するようになっているのです。
ところが、よく知られているように、現代人の食事は野菜が不足しているし、カルシウムや鉄分など必須ミネラルも不足しているといわれています。
その結果、生活習慣病は増え、有害な水銀や鉛など、身体に入ってくる毒素を排泄する能力が低下て、うつ病やイライラなど脳神経系の秒にまでなりやすくなっているといえるのです。

これは、いわゆるジャンクフード菓子に慣れ親しんでいる子どもにもいえることです。
栄養バランスがひどく偏っているために水銀や鉛などの有害ミネラルが体内に蓄積しやすく、なかなか排泄されない。
その結果、問題行動を起こしたり、すぐにキレて、重大犯罪を犯したりするようになるのでうs。

栄養が偏った食生活を続け、有害ミネラルを身体に蓄積させていると、精神の健康を失い、さまざまな病気を引き起こすことになる。





■人には有害物質を排泄する能力が備わっている

自閉症のお子さんの場合、毛髪検査をして鉛や水銀の値が低い人がいます。
有害物質が少ないと親御さんは喜ぶのですが、私は「この値は重症だということを示しているのですよ」と告げます。
自閉症のお子さんに一見したところ、有害ミネラルがあまり蓄積していないようなデータが出ることがあります。
たとえば、男性に比べて水銀の排出量が少ない女性はそれだけ体内に水銀をとどめており、外に出すことができないのです。
また毛髪検査で出た有害物質の数値が低かったお子さんの場合も、やはり体外に排出する能力が低いことの結果だと解釈すべきなのです。




■金属代謝をコントロールするタンパク質

人間はみな、生まれたときから「デトックスタンパク質」とでもいうべき酵素をもっています。
しかし、人によってはこの酵素の働きが弱かったり、遺伝子的な障害があるためにうまく機能せず、
体内に蓄積している有害物質を外に出すことができない、できたとしてもわずかな量しか排出できないという事態が起こるのです。

アメリカの研究によると自閉症児童の99%では血液中の銅と亜鉛のバランスが狂っている。
すなわち、この二つの金属をコントロールするタンパク質が正常に機能していないことを意味している。
関係するメタロチオネインと呼ばれるタンパク質は、脳細胞の発育をコントロールし、また身体から毒物を除去するのに必要なタンパク質でもある。
このタンパク質の障害が、自閉症児に多く見られる認識障害および消化器不良を起こす原因とみられている。





■必須ミネラルは有害ミネラルを駆逐する

私達の体内にはメタロチオネインのように、有害ミネラルと結合してその毒性を軽減してくれるタンパク質が存在している。
しかし、有害ミネラルを身体の外に排出してやらなければ、さまざまな症状を改善し、健康を取り戻すことは難しいといわなければなりません。

必須ミネラルが私達の生命維持に欠かせないというのには、もうひとつ理由があります。
それは、必須ミネラルは有害ミネラルの吸収を妨げたり、排出を促したりする働きがあるからです。

たとえば、カルシウムや鉄にはカドミウムの吸収を抑え、その毒性を弱める働きがあります。
またセレンには、水銀と結合することで無害化する働きがあります。
硫黄はセレンと結合して、水銀やヒ素、鉛、カドミウムを無毒化します。

体内に有害ミネラルを蓄積させていても、普段から必須ミネラルを十分に補給している人と、そうでない人は、
健康への影響の現われ方が違ってきます。

ただし、いくら必須ミネラルを摂取するように心がけても、本当の健康体になるためには
やはり、体内に蓄積している有害ミネラルを排出することが大切であることに変わりはありません。







※ミネラル分類



・必須ミネラル

カルシウム
マグネシウム
亜鉛
マンガンクロミウム
モリブデン

セレンニウム
ヨード
ストロンチウム
バナジウム



・非必須ミネラル

タングステン
ゲルマニウム
ボロン
コバルト
リチウム



・毒である可能性があるミネラル

アルミニウム
水銀
アンチモン
ニッケル
ヒ素
パラジウム
バリウム

ベリリウム
タリウム
蒼鉛(そうえん)
スズ
カドミウム
チタニウム
セシウム
ウラニウム

ジルコニウム