スンナリわかる脂肪の本 丸元康生 主婦と生活社
スンナリわかる脂肪の本―中性脂肪って何?コレステロールって何? (プラチナBOOKS)
- 作者: 丸元康生
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: 単行本
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◇1章 だれも教えてくれなかった脂肪の真実
■脂肪を理解するのは、脂肪酸を理解すること
脂肪は体にとって必要な
健康の基礎を作る栄養素でもある。
中性脂肪はそのものは決して悪者ではなく、
脂肪を構成する基本的なユニットなのです。
私たちが食事からとる油脂の約95%は中性脂肪です。
その中性脂肪は、脂肪酸が集まって作られている。
ということは、私たちが食品からとっている脂は
ほとんど脂肪酸と言っていいのです。
脂肪酸は、いったん酸化してしまうと、栄養的な価値をすべて失って
有害なものになってしまいます。
■オメガ3を!!
オメガ6を多く摂りすぎ、オメガ3は深刻に欠乏していたとしましょう
その場合でも、あまっているオメガ6を原料にして
オメガ3を作ることは出来ない。
現代人はオメガ6を取りすぎ、オメガ3は不足の食事になりがち。
これが生活習慣病を増やす原因のひとつ。
■身体の中の脂肪は、食べたもので決まります
植物は脂肪酸を自分で作れる。
ただ、動物の身体の脂肪酸の構成は
何を食べたかによってハッキリ変わってきます。
■脂肪の摂り方で細胞膜が変わり、身体全体が一変します
人間の身体は約60兆個の細胞が集まって出来ています。
その一つ一つの細胞は「細胞膜」と呼ばれる膜で包まれています。
この細胞膜は
脂肪酸がびっしり集まっているのです。
■細胞膜が担うたくさんのお仕事
・ドア
細胞に入っていいものだけ確認して中に入れる
・郵便受け
細胞あてに送られて来たメッセージを受け取る
・防壁
不審な連中の侵入を防ぐ
・活性素材のストック
細胞膜をつくっている脂肪酸は、
プロスタグランジンの原料となる
細胞膜には
他の細胞からのメッセージを受け取る郵便受けのような場所もあります。
からだの中の細胞は互いに綿密なコミュニケーションをとっています。
細胞たちは、他の細胞から受け取った指令に従って、それぞれの仕事をしているのです。
たとえば、おやつにドーナツを食べたとしましょう。
ドーナツの糖分を処理するために、インスリンが必要になります。
そこで「大至急、インスリンを作って!」というメッセージを受け取る郵便受けがあるのです。
インスリンを作ることができる細胞は、膵臓の中にあります。
その細胞の細胞膜には、メッセージを受け取る郵便受けがあるのです。
細胞膜の上の郵便受けは、レセプターと呼ばれていて、これもタンパク質で
作られています。
■細胞膜に元気がなくなると…
細胞膜がうまくつくられなかったら
どうなるでしょうか。
しっかりとつくられずに崩れたり、穴があいたりしていたたら
侵入者を防ぐ壁になりません。
有害な物質を入り放題になってしまいます。
ドアが不足したり、うまく動かなかったりしたら、
必要な物質が細胞内に入れずに細胞は苦しんでしまいます。
細胞の中に入れなかった物質(たとえば、ブドウ糖やコレステロール)が
血液中にだぶついてしまえば、それも身体にとって負担となります。
郵便受けが不足してしまうと
働いて欲しいときに、細胞が充分に働いてくれません。
身体の中の細胞たちは、
お互いにバランスを調整しながら、調和をとって、それぞれの役割を果たしています。
その営みを陰で支えているのが細胞膜なのです。
細胞膜が不健康になると、細胞内の平和も守れないし、細胞間のハーモニーも失われてしまいます。
では、どうして細胞膜が不健康になって仕事をしてくれなくなるのかと?
食事からとる脂肪の内容は、細胞膜の柔軟性にダイレクトに影響します。
細胞膜は、ただ硬ければいいわけではない。
適当に柔らかくプヨプヨしていて欲しいのです。
細胞膜がプヨプヨなら、膜に埋まっているタンパク質(専用ドアや郵便受け)も
自由に泳ぎまわり、のびのびとお仕事をしやすくなるのです。
細胞膜の硬さと柔らかさは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスで決まります。
■DHAが頭を良くするわけ
DHAがしっかりとれていると
ストレスが高まったときにもイライラせず精神状態を
良好に保てる。
その理由の一つに脳内のセロトニンの働きを良くするから。
セロトニンだけでなく、次のような神経伝達物質の
働きも高めてくれる。
・アセリチルコリン
記憶力や学習能力に関係する。
不足すると、物忘れがひどくなる