整腸力 辧野義巳yoshimi benno かんき出版

整腸力 --医者・薬いらずの体をつくる腸内改革--

整腸力 --医者・薬いらずの体をつくる腸内改革--

■毎日肉だけ食べるとどうなるか

肉食を続けた結果、まずウンチがアルカリ性になりました。
普通、日本人のウンチは弱酸性ですが、弱アルカリ性のpH7.3〜8.3に変化。

大腸の内壁からは、アルカリ性の大腸液が分泌されています。
大腸液は小腸の胆汁や膵液とは違い、消化酵素を含まず、粘液として大腸の保護やうんちをなめらかにしています。
つまり肉食を続けていると、大腸液が多く分泌されるのです。
人体にとってはマイナス面が多い。

排便の量も減っていき、それに反比例するように臭いも強烈に。
体臭もきつくなった。

腸内細菌のバランスもクロストリジウム属などの悪玉菌が増えていた。
クロストリジウム属はアンモニア硫化水素などの有害物質を生成するからうんちもくさくなるわけです。

そのあと、食物繊維に変えたら、うんちは劇的に変化。
pHは弱酸性になっていき、排便量も増え、臭いも弱くなりました。


■腸年齢

年齢と共にうんちの臭いがきつく、出る量も少なくなり、出たとしても細長いうんち(老人性さい便)となり、
弁韓が大きくなっていきます。


悪玉:善玉:日和見=2:1:7

悪玉優位になるとうんちの臭いもきつくなっていく。

2007年、600人の女性に調査。
20代女性の腸年齢は実年齢よりも15〜20歳も上!




■便秘になる4つの大きな原因

偏った食事
運動不足
ストレス
ダイエット

運動不足は腸の周りの筋肉を動かさないため、
大腸の筋力が低下して、うんちを十分に押し出せなくなります。

腸管運動は、自律神経が司っているため、ストレスで自律神経の働きが乱れると、腸管運動が強くなりすぎて、
うんちをうまく押し出せなくなり、うさぎが出すようなコロコロとした丸いウンチになってしまいます。

■うんちから健康状態がわかる

酸性なら黄色、アルカリ性なら黒ずんでいるのですが、
前述のように人体は弱酸性のほうが健全に働きます。

健康な状態なら、うんちの色も黄色や黄土色になります。
疲れているときに、おしっこの色が茶褐色になりますが、うんちも黒ずんできたら、腸が危険信号を発しているわけです。

腸内細菌バランスが善玉菌優勢なら、腸内が弱酸性に保たれています。
つまり、うんちが黄色に近ければ、大腸で善玉菌が優勢となっていると考えられるのです。

うんちが臭いのも、大腸の危険信号です。
うんちの悪臭の多くの原因は悪玉菌が生成する物質です。
悪玉菌がつくりだす物質は有害性、発がん性のあるものが多く、病変を起こすリスクをたかめます。


ところで、バナナ状のうんちの水分はどのくらいでしょうか?
一般的に健康な人のうんちに含まれる水分量は、うんちの重量の80%前後とされます。

水分が85%を超えると半練り状になって、とぐろを巻きやすくなります。

90%下痢、70%でコロコロ状。大腸の蠕動運動でうまく運ばれなくなり便秘になる。

ですから毎日定期的に排便があっても、水分が少ないうんちで硬かったり、残便感があったり、排便の時に苦痛を感じたりするならば便秘です。


バナナ1本が100gくらいですから、毎日2〜3本くらいの排便をしていれば、食生活、健康に問題はないといえるでしょう。

排便のときにうんちをチェックする。
このことを最初の一歩にすれば、本当の意味での健康を勝ち取ることができるでしょう。



■断食や腸管洗浄は意味がない

悪玉菌だけを洗い流せるわけではありません。

ものを食べないと、確実に腸内環境は悪くなります。

うんちが便器にこびりつくことはありますが、それは剥がれ落ちた腸粘膜が含まれているからです。
こびりつくほど粘っこいことがあるのは、腸壁から粘膜である腸液が分泌されていて、肉食などでこの腸液が過剰に分泌されるのが原因だと思います。

腸内環境がきれいという意味は、菌がいないわけではなく、善玉菌を多くして、悪玉菌を少なくするということです。




■プロバイオティクスで腸内環境を整える

悪玉菌の多くは腸内のアミノ酸や脂肪、糖類などの栄養分を腐敗させる細菌です。

プロバイオティクスとは、生きたまま腸に届くよい働きをする微生物やそれを含む食品のことです。
具体的にいうと、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌が入ったヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬか漬け、納豆、味噌などの発酵食品のことです。