証に合った漢方薬が効かなかった経験から




漢方薬における腸内善玉菌の必要性についての考察

様々な問診、身体観察が十分に行われた上で決定された証。
証に合わせた漢方薬の処方調合。


保険医が内科の片手間に行っている保険新診療の診察ではない。
きちんと漢方の専門家(恐らく)







そうした漢方服用を試してみても効果なし。
なぜか。



漢方薬は効果があると前提して考えてみると、考えられる原因は大きく3つ。


1)漢方医の腕が悪い(証に合っていない)
2)食習慣・生活習慣が改善できていない
3)腸内環境が漢方を迎え入れる状態ではない







対処法

1)患者が勉強する。チョイスする。
 (ウェブで無料相談を行っている漢方医(薬剤師?)は割とある。
  いろいろ相談してみて良さそうな人をチョイス)

2)頑張る。症状によっては、なかなか変えることが難しい場合もある。
  ライフスタイルは最重要だと思われがちだが、むしろ、これが最後。

3)漢方薬の前に便秘や下痢、便の臭いなどを観察。
  不健康だと感じた場合、ある程度のところまで腸内の善玉菌を摂取する。
  そのうえで漢方に入っていけばいいし、もしかすると善玉菌だけで劇的に回復するかもしれない。




排便が食べ物に影響されないと考えると、たとえば食欲不振で悩んでいても腸内の善玉菌を増やすサプリメントなんかを継続して服用すれば排便や便の質は変えていくことができる。

(便中における食べ物のカスは5%前後という情報がある。
 そして断食をすると排便量が増えるという。
 食べなきゃでない、ということはないはず)







…簡単に言えば、漢方薬に突入する前に、
腸内環境をある程度の場所までは整えるという下地を敷いておいたほうが漢方薬の効きもよくなるのではないか
?ということ。








Lactobacillus(乳酸菌)が1+では、
漢方薬だけじゃなく食べ物もさぷりめんとも吸収されてなかったと思いますが…
(4+が最高値)






■小話ーー自分を知るために

プロに相談すると言うのは発見があるものです。

プロじゃなくてもいいのですが、自分を知るためには自分から離れないといけない。
私達の1日は95%の無意識で構築されているらしいです。
つまり、自動。
その自動をうたがうことなく生活しないとやってられない。

もしも無意識=自動=習慣が良くないものだとしたら。


そして、問題を表面化させない能力を身体は持っている。

なぜなら身体は極めて高い適応力を持っていて、間違った場所に適応してしまうからです。
ホメオスタシスですね。


たとえば私は「健康のために水分を1日あたり2リットルは摂取すべき」という情報を信じきっていましたし、「多く摂れば摂るほど身体がきれいになる」という洗脳までされていました。
しかし、プロの方いわく「食事からの水分もあわせて2Lくらいが目安」と教えていただき、自分の中の常識が良かれと思って従ってきたのにむしろ逆だった、ということがありました。

また、「冷え性」なのに「冬場に冷たい水が欲しくなる」というのは外からみればおかしいと今なら思えるのですが、当時の私は自分のおかしさに気づけませんでした。
「寒い、冷えている」のなら「温かいものが欲しくなるのでは?」ということは漢方医の方に指摘されて初めて「確かにおかしいかも」と気づかされました。
そして、「冷えている」のに「冷たい飲み物を摂取している」ことが証を決める大きなファクターになりました。


自分を自分から離れて観察できる能力がある人はそれでいいと思うのですが、そういう人ばかりでないので少しお高いかもしれませんが、保険適用でないプロの漢方医に相談するのも、新しい発見があって良いかなと思いました。




http://www1.odn.ne.jp/~adg61970/seiyuu/

http://yorozukanpo.com/














漢方薬 腸内環境」で検索のまとめ

漢方薬の有効成分として多くの配糖体が知られています。糖がついた結果、水溶性が高く、脂質でできた消化管の細胞膜を通りにくいものが多く、簡単には吸収されません。下部消化管に届き、腸内細菌によって糖を外されて初めて吸収されるものが多いのです

http://www.kampo-s.jp/m_square/qa/qa/011.htm

このように、腸内細菌叢の違いが、漢方薬の薬効の個人差の一つの大きな根拠となっています。

http://www.kampo-s.jp/m_square/qa/qa/011.htm


殆どの漢方薬は薬効を発揮するのに腸内細菌が必要というのはご存知ですか?

多くの漢方薬の成分は生薬(ショウヤク)といわれますが、この主成分である配糖体は、胃でダメージは受けず、
腸管の粘膜を通過することもなく、
またヒトの消化酵素に分解されることもなく、
そのまま小腸の下部から大腸まで到達します。
そこで腸内細菌により分解され、初めて薬効成分(薬として効果を発揮する成分)の形になり、吸収され効果を発揮するのです。
配糖体は効き慣れない単語だと思いますが、簡単に述べますと、
糖と糖以外の物質がくっついた化合物のことです。

例えば、多くの漢方薬(生薬を混合したもの)に含まれる甘草(カンゾウ)。
カンゾウエキス配合」なんてCMも聞いたことがあるでしょう。
これは甘草に含まれる配糖体のグリチルリチンが、腸内細菌により薬効成分グリチルリチン酸に分解されて初めて吸収され効力を発揮するのです。
葛根湯でおなじみの葛根や、有名な薬用人参(朝鮮人参)も同じで、それに含まれている配糖体が腸内細菌により分解されて初めて効力を発揮するのです。

ですから、これらを分解できる腸内細菌がおなかの中に棲んでいないと、漢方薬をいくら飲んでも効かないのです。
「漢方は人によって効果が異なる」というのは、腸内細菌に原因があるのですね。
腸内細菌は個人差が非常に大きいので。

残念ながら、この漢方薬の配糖体にはこの腸内細菌がいれば良いというのは、まだまだわかっていません。
研究している人はいるのですが数は非常に少なく、薬学系の方が殆どで腸内菌叢の知識が乏しいことに原因があると思います。

忙しくて疲れた時や体調不良の時に栄養ドリンクに頼りたくなることがあるでしょう。
その場合、"朝鮮人参○○mg"とか書いてある高価なものの方が効くような気がします。
しかし、腸内菌叢によっては、飲んでも効果が無いかもしれませんよ〜。
高価な朝鮮人参を分解できずに垂れ流し〜ってことですね。

http://lkm512-blog.com/2010/09/post-201.html



漢方薬の成分、「配糖体」はプロドラッグ


私たちが食べた食物は、腸管で吸収されて肝臓で代謝されますが、漢方薬も同様に代謝されます。
しかしながら、ほとんどの漢方薬は「配糖体」と呼ばれる水に溶けやすい性質(水溶性)の成分を含んでいます。このような水溶性の高い物質は、リン脂質など でできた細胞膜を通過しにくいため、吸収されにくい欠点があります。それでは、どのようにして吸収されているのでしょうか。
その答えは、例えばある種のビィフィズス菌などの腸内細菌に隠されています。服用した漢方薬が下部消化管に到着すると、腸内細菌によって糖がエネルギー源として奪われてはじめて腸管で吸収されやすい活性成分に変化します。
つまり、ビィフィズス菌などの配糖体を利用できる腸内細菌が少ない腸では、口から入ってきた漢方薬は腸で吸収されずに、そのまま糞便と一緒に排泄されてし まいます。このような漢方薬の成分の吸収に大きく関わっている腸内細菌の種類や量は個人差が大きいため、漢方薬は効き目に個人差があります。

http://www.ninata.com/index.php?%E2%97%8F%E6%BC%A2%E6%96%B9%E8%96%AC%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%8F%E3%81%AE%E3%81%8B






漢方薬は相性が大事で、自分の体に合わないものを




飲んでも、効果が出ないと言われています




精製した化学的医薬品(西洋薬・新薬)に比べると




同一症状に対して、効き方にはっきりとした




個人差が表れてきます




しかし最近の実験データによると相性以前の




条件として腸に住み着いている細菌が




効果の発現に大きく関わっていることが




分かってきました




漢方薬の材料である生薬(天然物質)は




さまざまな成分の組み合わせで




出来ています




更に成分によっては、他の成分とくっついて




存在しています




そのような状態では腸管の小さなふるいの目に




引っ掛かって吸収されません




そこで活躍するのが腸内細菌です




生薬は細菌によって消化・分解されて




スムーズに血液中に入ってゆくことが出来ます




つまり漢方薬の体内取り込みに腸内細菌が




大きく貢献しているわけです







菌を殺す薬を飲んでいたり、防腐剤の




沢山入った食品を食べたり、




冷たい飲食物の摂りすぎで




腸を冷やすと、腸内細菌の働きが




低下してしまいます








漢方薬を効かせるだけでなく、


普段の食事から摂っている




栄養素を効率よく体内に取り込む




為にも、腸内細菌は不可欠なものです

http://ameblo.jp/kofuziya/entry-11333954890.html









個人的検索備忘録

冷えの原因

 冷えの原因を漢方的に考えると、「陽」すなわち温かい「気」(=エネルギー」)の絶対量が低下しているもの(=陽虚証)と、体内に水分が余剰に停滞することによって体が冷えるもの(=水毒証)、血流量の低下によって冷えを感じるもの(=血虚証)によるものの3つのタイプに大別できます。 「陽虚証」の特徴としては、普段から元気がない、食欲がない、声に力がないなどの気虚証の症状に加えて、尿量が多い、ちょっとしたことで消化不良の下痢をしやすい、舌が淡白〜紫などの特徴があり、四季を通じて厚着をしていないと寒く感じることが多いようです。

 このタイプの人は、食事も温かいものを好み、生野菜や果物、冷たい飲み物が苦手です。一方、「水毒証」タイプは、普段から手足が重だるい、低気圧が通過したり雨が降ったりすると体調が悪くなり頭痛や食欲不振が強くなる、舌に厚い苔がべったりとついている、むくみやすいなどの症状があります。また、「血虚証」の特徴としては、めまいや目のかすみ、手足のしびれ、舌が淡色などの特徴があります。 これらの原因は単一で存在する場合もありますが、多くは「陽虚と血虚」「陽虚と水毒」というように複数の原因が併存する場合が多いようです。

冷えの予防と治療

陽虚証
 このタイプの人は、体質的に熱を産生しにくいので、まずは、普段から薄着をしない、温かいものを食べたり飲んだりする、少しづつ運動をすることで熱産生に大切な筋肉量をふやすように心掛けるなどの注意が必要です。治療に用いる漢方薬としては、「気」を補う人参、黄耆、「陽」を補う乾姜、附子などの入ったお薬を用います。中でも「附子」は毒性をもつ「トリカブト」の根(子根)ですが、これに熱を加えるなどして毒性を取り去った「炮附子」は体を温める作用が強く、陽虚証の冷えには欠かせない生薬です。現在、保険で使うことのできる漢方薬では、『人参湯」『附子理中湯」『八味地黄丸」などが代表的なものです。

水毒証
 水毒証を引き起こす原因の第一は、水分の取りすぎです。外来に来られる患者さんのなかには、「水をのむことが健康」とか「水を飲んで血液をさらさらに」というようなキャッチフレーズを妄信して、一日何リットルも水やお茶をのみ、体が水浸しになっているケースをよく見かけます。
 体に取りこまれた水分は、最終的に呼吸・汗・尿・便として体外に排泄されます。普段から積極的に体を動かし呼吸や汗として水分を発散する量の多い人はそれだけ水分のを多く取らなければなりませんが、多くの現代人は運動不足のことが多く、このような人がむやみやたらに水分を取れば、余分な水分が体内にたまってくるのは当然のことです。これが「水毒」であり、むくみや冷えの大きな原因になるのです。
 水毒証に陥らないためには、「温かいものを少しづつ飲む」という原則を守り、普段から運動などで体を動かす習慣をつけることです。お仕事で忙しく運動する暇がない!という方でも、駅やビルの中で、なるべくエレベーターやエスカレーターに乗らずに階段を歩く、電車やバスに乗ったときに一駅分歩いてみる、など、運動の機会はどこにでもあるはずです。食事も温かいものやスパイスの効いたものをとることで、少しでも汗から排出される水分量を増やしましょう。
 水毒証に対する漢方薬の代表は『五苓散』ですが、冷えの強い水毒証に対しては、真武湯が有効です。真武湯は、冷たい物の取りすぎで急な下痢になった時の特効薬で、水毒と冷えによるめまいにも用いられます。

血虚
 このタイプは、血液の循環量が少なかったり、血液による栄養分の供給量がすくなかったりすることで冷えを生じるもので、女性に多いタイプです。原因としては、月経の異常によるものもありますが、多くは、毎日の食事に問題があるケースです。すなわち、朝食を食べない、「太りたくない」という理由で生野菜やジュース類を多く取り、動物性タンパクや根菜類、豆類などが少ない、コンビニ弁当やファーストフードなどで食事を済ませてしまう、など、生命維持の根源である「食事」に無頓着なライフスタイルが、血虚証による冷えを生んでいるともいえます。対策としては、これらの食生活を中心としたライフスタイルの見直しが第一ですが、いわゆる「補血薬」と呼ばれる、当帰、芍薬、地黄などを配合したお薬を服用することも有効です。方剤としては、女性の聖薬として有名な『当帰芍薬散』やこれに炮附子を加えた『当帰芍薬散加附子』、手足の冷えに対するファーストチョイスである『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』、気血両虚証に対する『十全大補湯』、産後の冷えなどに用いられる『キュウ帰調血飲』など、女性の冷えに対する処方は多く、冷えの特徴に合わせて選択する必要があります。

冷えのぼせ

 冷えのぼせは、更年期過ぎの女性に多くみられる症状で、漢方的には冷え症状に、オ血、気滞などによって「気が上にあがる」現象が生じたものです。

 普段からリラクセーションをはかり、運動と休養をしっかりとり、自律神経を整えることが大事ですが、漢方では加味逍遥散や桂枝茯苓丸がよく用いられます。加味逍遥散は私の最もよく使用する処方の一つであり、冷えのぼせだけでなく、月経前症候群血虚血オ証による不眠などにも用いられます。桂枝茯苓丸も更年期以降ののぼせには著効を示すことも多く、愛用しておられる患者さんも多くおられます。

http://www.nishimotoclinic.jp/about/index10.html





今回は「朝起きにくい、たちくらみ」です。
 ここはある漢方診察室の中です。喘息の子供を持つ母親が医師(漢方医)と話しています。


医師:息子さんはお元気ですか?来年は中学校ですね。

母親:おかげさまで喘息発作もなくなり、助かりました。しかし....(うかない表情)

医師:どうなさいました?

母親:丈夫になったことは喜んでいるのですが、朝起きられなくて困っているのです。

医師:起こせばいいじゃないですか?

母親:それが朝寝坊ぐせがひどいのか、叩いてもけとばしても起きてくれないんです。この前なんか、昼頃になってやっと起きられたのですけど、こんな時間じゃもう恥ずかしくて学校へ行けないなんて言って休んでしまったのです。最近こんなことが何度もあるのですよ。こんな怠け者に育てた覚えはないのですけど、いやはやお恥ずかしい話をしてしまいました。

医師:それは立派な病気です。よいお薬を処方しましょう。きっと起きられるようになりますよ!


起立性調節障害は、10歳以上の児童に多く、起立時にめまいがしたり(たちくらみ)、朝起きにくいだけでなく午前中調子が悪く集中力がなかったりします。
時期では春先に多く、1学期の成績が悪かったりします。少し動くと、動悸や息切れがしたりします。
 これは起立時に頭部へ行く血流が減るためにおこる症状です。

健康な人では立ち上がったときに頭へ行く血流が減らないように、足の血管が反射的に収縮いたします。
ところが、この病気ではその反射が起こらないために下半身に血流がたまり、脳へ行く血流が低下してめまいなどの症状をきたすのです。

 起立性調節障害は、登校拒否の原因のひとつとして注目されていますが、実は児童だけではありません。
成人にもよく起こります。たちくらみ、頭重感、集中力のなさ等は不定愁訴として、ともすれば向精神薬が使用されがちです。
不安やうつ病等であれば効くかもしれませんが、原因が起立性調節障害であれば良くなるはずがありません。
 

起立時の血圧低下に対しては昇圧剤がよく用いられますが、この薬は平生の血圧まで上昇させてしまいます。
動悸、不眠などの副作用もきたしやすくなります。

 こうした病態を、漢方医学では”体内の水が起立という動作に対応していない”と考え、水の流れを調整する方向で治療していきます。

水毒(すいどく)と呼ばれる病態です。
水毒には起立性調節障害の他にもむくみ、鼻水、水様の痰、多汗、多尿、うっ血性心不全など、水の過剰な病態もあります。

 今回は自律神経系の調整作用をもつ苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)をご紹介いたします。
 苓桂朮甘湯がよい症状とは、このようなものです。

1 朝起きにくい
2 急に立ち上がるとめまいだけでなく、動悸もする
3 頭に何かをかぶっているようにぼうっとする
4 むくみっぽい

 このお薬は、これだけで、平生の血圧に影響を与えずに起立時の血圧低下だけを改善することができます。西洋薬側に似たような薬は全く存在しません。副作用は殆どありません。小児だけでなく成人にも有効です。一例をご紹介します。

 64歳の女性の方です。半年前からぐらぐらっとくるめまい感を覚えて、近くの耳鼻科・内科にて加療を受けてきましたがよくならず、来院されました。聞きますと、頭が重い、たちくらみがする、朝起きにくいなどの症状を自覚しておられました。早速、苓桂朮甘湯エキスを処方しました。2週後には、ぐらぐらする感じが減り、朝も起きやすくなりました。4週後には元気になられ、大変喜ばれました。

 この苓桂朮甘湯の効くめまい感には特徴があります。
 天井がぐるぐる回るような激しいめまいには効きません。体位を動かしたときになんとなく、体がぐらぐらする程度のめまい感なのです。ホロプシーといって、そばにある物をじっと見ていると、急に遠くあるいは小さく見えたり、地震でもないのにぐらぐら揺れて見えたりいたします。これは水毒のある人(とくに子供)には時々みられる症状ですが、患者本人も病気だと思っていない場合が多いものです。実は、かく申す筆者も水毒体質でして、ホロプシーは子供の頃よく経験していて、面白く感じたことを覚えています。
 こういうめまい感をもっていると、乗り物に揺られることに弱くなり、船酔い、車酔いしやすい傾向にあります。水毒体質を治療していくと、次第に酔いにくくなります。
 最初のご紹介したお子さんも元々は喘息で治療していましたように、水毒体質の方によくみられる病気に慢性鼻炎と喘息があります。鼻水が黄色い場合は水毒ではありませんが、水様の透き通った鼻水の鼻炎であれば水毒体質の可能性があります。アレルギー疾患の患者さんの何割かは水毒体質をもっています。そういう方は自律神経系が弱い傾向があります。


 水毒体質をみる簡単な方法を二つ紹介いたします。なお、これは「体質」を診る方法でして、あったからといって自分が「病気」だと思い込まないでください。

 一つは胃部診水音(いぶしんすいおん)です。

 あおむけにねそべってみてください。足は曲げても伸ばしても結構ですが、リラックスしてください。みぞおちからおヘソのあたりを軽く叩いてみてください。ボチャボチャという音がしたら、貴方には水毒があります。ただし、食直後は音がして当たり前ですので、空腹時あるいは食間になさってみてください。
 胃部振水音が陽性になるのは、どちらかといえばやせ気味の人に多く、肥満の方には少ないようです。
 胃部振水音は漢方薬だけでなくジョギングなどをすると減っていくことがあります。運動不足が関与しているのかもしれません。

 もう一つは舌の歯痕(しこん)です。

 鏡をみながら、ご自分の舌を前に出してみてください。舌の両側に歯の痕で凹んでいる方は水毒があると判断いたします。これはお子さんには少なく、成人の方の水毒の診察法です。慢性にいろいろな症状に悩んでいる方の中にはこういう方が多いようです。
 さて最初のお子さんがその後どうなったかといいますと、服用して1週後には毎朝何の支障もなく起きられるようになりました。学校にも遅刻することなく通えるようになりました。
 筆者は登校拒否の児童に苓桂朮甘湯をよく処方いたします。朝の起きにくさは、個人差はありますが、大抵は改善していきます。しかし、先生が嫌い、いじめが恐い、など学校側に原因がある場合にはやはり登校してくれません。いかに優れた漢方薬といえども薬の限界を覚えるところです。


 本日は水毒のお話でした。「朝起きにくい」から「登校拒否」まで話がどんどん広がってしまいましたが、ご理解いただけたことを祈っています。(伊藤)

http://www.kashimah.rofuku.go.jp/kanpou/essay/004.html







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