体の痛みが消える生活 ジェフ・ライベングッド サンマーク出版

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■便器の中を見れば健康状態がわかる
便通と言うのは体内で起こっていることを知らせてくれるとても貴重なサインです。
わかりやすいのは、傷んだものを食べるとおなかを下す、繊維質が足りていないと便秘になる、といったことです。


多くの人が便に問題を抱えながら放置している。
病気の一歩手前にある人も少なくありません。


日本にも腸に問題を抱えている人が非常に多いと推測されます。
たとえば、大腸炎がそうです。
「IBS」と呼ばれる過敏性腸症候群も含まれます。
IBSはストレスと非常に大きな関係があり、死を招くこともある病気。

また、最近では「リッキーガットシンドローム」ガ大きな問題になっています。
これは、腸の壁から毒素がみもれて、血管の中にはいって全身に影響を及ぼす症状。
皮膚がかゆくなったり、発疹ができたりするのもこのことが原因の一つにあります。

本来、腸の壁と言うのは柔軟性があって、目がギュッと詰まっているシルクの織物のような構造をしています。
そのため簡単に液体を通すことはありません。
しかし、LGSにかかった腸は織り目がスカスカになっていて、液体が漏れやすい状態になっている。
それで、腸内にたまった老廃物などを簡単に通してしまうのです。

便秘や下痢が頻繁に起こるといった便通のサインを見逃し、放置しておくと、このような症状へ進行することがあります。





■一日に30センチメートルの便が出ればOK

もうひとつ重要なのが、正しいものを食べて、宿便の原因をつくらないようにするということです。
腸内にはさまざまな常在菌が存在し、その85%は善玉菌、15%が悪玉菌です。

どちらかが100%でなければいけないというものではなく、これがバランスのとれた腸内環境です。

善玉菌によって一日に10リットル以上のガスがつくられ、その刺激によって腸が活発に動き、スムーズに排泄をすることができます。
ところが、間違った食べ物を食べ続けていると次第に悪玉菌が増えて、腸内の常在菌のバランスが変わってしまいます。
すると、排泄が完全に行われず、宿便の原因になります。

目安としては、1日30センチメートルの便が出ればOK。

だいたいの目安ですが、これよりも少なく感じる場合は、老廃物が腸の中に残ってしまっている可能性があります。
残った老廃物は、腸の壁にへばりついて乾燥し、硬くなって宿便になってしまいます。

宿便が溜まると、まず下痢が起こりやすくなります。
というのも、腸の壁に宿便がくっつくことで、消化されたものの通り道が細くなってしまうからです。
すると、身体は自己保存のために消化を早くして、外に排出しようとする。
これが下痢になるわけです。

宿便は姿勢にも影響します。

腸は筋肉と粘膜から構成されていますが、結腸の上行、横行、下行結腸にある筋肉が、
姿勢を保つために大切な役割をしています。

腸の中に宿便があると、これらの部分に血液や栄養全身に行き渡らなくなります。
そして筋肉に張りがなくなり、弱くなってきます。

さらに、宿便の重みで脊椎が引っ張られることにより、おのずと前傾姿勢が強まってしまいます。
こうなると、腰痛になってしまいます。
そして、姿勢の悪化が、さらに全身によくない影響を与えるのはこれまでもお話してきたとおりです。

たまった宿便が原因で腸が膨張し、急激に太ってしまう例もあります。

このように、身体の痛みや不調、肥満、精神的な不調など、さまざまな問題が、宿便が原因で起こっているかのせいがあります。




■腸のバランスを整えると健康になる

排泄を大切にすると言うことは腸の調子を整え、充分に働かせるということです。

食べ物を取り込んだら、使われなかった不要なものや毒素は外に出さなければなりません。
身体が十分に働くためには、この排出システムがうまく機能している必要があります。

そして、排出システムが働かず、余分なものや毒素がたまりすぎてしまうと、必ず何らかの病気となってあらわれます。


私達の排出のシステムを担っているのは腸です。
ところが現代では、腸に悪いライフスタイルや食生活で腸の働きが乱れ、多くの問題を引き起こしています。

便秘や下痢、憩室炎といった腸に関わる病気だけでなく、身体のむくみや皮膚の発疹、片頭痛などの原因にもなっているのです。


腸が健康であれば、身体は活力に満ち、身体に悪い食べ物やライフスタイル、ストレスなどの悪影響から常に身を守ろうと働いてくれます。
そして、身体の悪いものが体内に入り込むと、まず便通などサインを出します。

しかし、便通のサインを無視して、その状態を放置すると、腸そのものがうまく機能しなくなっていく。
そして、ほかの排出システムである、皮膚、リンパ、腎臓、肺などに過剰な負担がかかります。

よく、疲れたときに暴飲暴食をしたときなどに口臭や体臭がきつくなりますよね。
これは腸がうまく働かず、ほかの器官に負担を掛けてしまっている状態なのです。

このまま負担がかさむと毒素を正常に排出できず、身体の中に毒素がたまります。

皮膚に発疹となって現われたり、手足が浮腫んだりするようになります。
アレルギーや筋肉の痙攣、膀胱の炎症、足の痛み、姿勢の悪化、疲労感や集中力の欠如、不眠などにもつながります。
そして、ますます身体から活力が失われていく。

これが病気へといたるマイナスの循環です。
実は、このマイナスの循環に多くの人が足を踏み入れてしまっているのです。

たとえば、人体を解剖すると、ほとんどの人の腸内に膨大な量の宿便が溜まっているそうです。
これは排出し切れなかった残りかすや毒素のたまり。大一時で18キログラムにもなるそうです。

そして、恐ろしいことに、多くの人がこのたくさんの宿便を抱えたまま生きているのです。
平均すると2.3キロの宿便があると推測されます。
これでは、腸が健康に働くことは出来ません。