DMSAについて

DMSA(meso-2,3-dimercaptosuccinic acid)は
水銀や鉛、ヒ素デトックスに使用されるキレート剤です
(ちなみに"DM"のアルファベットが頭につくキレート剤は
すべて水銀のデトックスに適しています)。
DMSAは米国食品医薬品局(FDA)により鉛中毒の治療法として認可され、
最近ではサプリメントとしては承認されず、
あくまで医師による処方薬として扱うべきものであること、とされています。

DMSAの最大の長所は胃腸での吸収率が高いため
経口剤としてキレーションが行なえることです。
医師がその場にいなくても重金属を除去できる「飲むキレーション療法」は
子供や点滴治療を行ないにくい患者や通院できない患者に効果的です。
しかし医師が身近にいないため万一DMSAの副作用が出た時に
迅速な対応ができないリスクを伴います。
しっかりと医師に相談した上で治療を受けてください。

DMSAのもう一つの長所はEDTAに比べて必須ミネラル・元素
(カルシウム、マグネシウム、鉄分、銅、亜鉛
を体から除去しないことです。
対してDMSAの短所は、EDTA同様血液脳関門を通過することです
(一部では通過しないという報告がされてはいるが、
一般的には通過するとの声が高いようです)。

経口剤として投与されたDMSAは胃腸で体内に吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓は重金属(特に水銀)がたまりやすい臓器であるため
DMSAは肝臓内で重金属に吸着します。
重金属とくっついたDMSAがそのまま体外へ排出されればよいのですが、
約2割のDMSAは体の血流にのって脳へと一度運ばれます。
そのため肝臓にたまっていた重金属を排出する前に
脳へ渡してしまう可能性があります。

一般にはカプセルでの投与で、100〜500mgなど、投与量も色々とあります。
白色で目立った臭いはなく、特に服用がつらい、ということはないかと思われます。

DMSAの副作用としては以下のものがあげられるでしょう。
*腹部症状
腹痛や腹部膨満感、下痢などです。
多くは腹部症状で、症状が強い場合は、内服を中止する必要があります。
中止すれば、すみやかに症状は改善します。
*皮疹
稀な副作用ですが、症状が強い場合は投与を中止します。
*肝機能データ逸脱
肝臓酵素(AST/ALT)の上昇の報告があります。
*アレルギー
DMSA自体にアレルギーがある場合、治療継続はできません。

なお、特に体臭が強くなるとの報告はないようです。
(一部でDMSAを「体臭にも効くデトックスサプリ」と謳ったものがあるため、
そういったイメージが出ているのかもしれませんが・・・)

http://www.anti-ageing.jp/faq/show/d201010020001.html