アルカリ性ミネラル 飲むタイミングを間違えると、同じミネラルの鉄の吸収を妨げる


今日からしばらく、胃酸が少ない「胃酸過小」によって、消化分解から吸収に与える影響が大きな栄養素について紹介をします。
1回目の今日は鉄についてです。
鉄は人間の体にとって不可欠なミネラルの1つでもあり、
その役割には皆さんも良く知っている血液のヘモグロビンをつくるときの役割がありますね。

鉄分が不足する貧血になることで、酸素が細胞に供給できなくなり、めまい様のしょうじょうや疲労感が現れます。

通常、食材から摂取できる鉄分は、動物の肉に含まれる「ヘム鉄(Hem iron)」と穀類、豆類、野菜に含まれる「非ヘム鉄(Non-Hem iron)」があります。

ヘム鉄はpHが7(中性)またはアルカリ性の状態でも比較的吸収はできる鉄ですが、
非ヘム鉄は難消化性の繊維質に結合しているために、鉄(元素)を吸収させるためには、強い酸が必要になります。
1990年のイギリスの研究チームの報告では、非ヘム鉄から鉄を分離するためには、少なくとも胃酸のpHは4.0以下であることが条件と報告しています。

慢性的な貧血で、鉄の吸収が不良なクライアントの胃酸の分泌能力と、pHを調べてみると、60%くらいの人に胃酸分泌の低下またはpHが十分に酸性にならない人がいるため、
栄養療法ではこのような人に、胃酸を補うための塩酸(塩酸ベタイン+ペプシン)のサプリメントを使ってもらうことが少なくありません。
その効果は高く、このような背景で慢性貧血の人の80%は貧血症状が大幅に改善します




そう、カルシウム、マグネシウムサプリメントは数多く市場に出ています。
これらのアルカリ性ミネラルが配合されたサプリメントの飲むタイミングを間違えると、同じミネラルの鉄の吸収を妨げることになるということです。
もちろん鉄欠乏性の貧血傾向にある方は、胃薬を不用意かつ安易に飲まないように注意したほうがいいということでもありますね。