胃と腸との話は別。タンパク質は胃を早く通過

■ご飯やうどんは腹持ちがいい、つまり消化に悪い

一般的には、「ご飯や麺類は消化がよい。しかしお肉は消化に悪い」と言われているが、これが大間違いなのである。
肉や魚などのタンパク質は、胃酸で速やかに消化されて小腸に送られるため、胃滞留時間は数十分程度である。
逆に、ご飯や麺類は胃酸では消化されず、いつまでも胃のなかに留まっている。

ようするに、「ご飯やうどんは消化によい」と世間に流布している常識のほうが、間違っているのだ。

このことは、消化器内科や消化器外科の医者なら、日常的に実感しているはずだ。

(中略)

これは一般の人も目にすることができる。泥酔して吐いている人のゲロを観察してみてほしい(もちろん、頼まれても見たくないものの一つがゲロであるが)。

ゲロの中身は、米粒、麺類、そして野菜だけであり、肉の姿はどこにもないはずだ。
ついさっき、焼き鳥や唐揚げを食べていたのに、それらはどこを見ても見つからない。
ようするに、胃袋のなかの肉や魚はすみやかに姿を消すのに対し、いつまでも居座っているのはご飯と麺類、つまり糖質なのである。