大豆製品におけるレクチン・サポニン問題

レクチンについて調べていたら泥沼にはまったというわけ(汗)。
予想以上に種類も生理作用もバラエティーあって、要するに生で豆は食べるなと結論。
以下、追補。

<豆類以外のレクチンが含まれる食用植物>

穀類
燕麦 ライ麦 大麦 小麦 イネ トウモロコシ

野菜
セロリ サツマイモ アスパラガス ガーデンクレス テンサイ トマト
ピーマン アルファルファ チコリ パセリ ズッキーニ ダイオウ キュウリ ジャガイモ

果物
パパイヤ バナナ オレンジ レモン プラム グレープフルーツ サクランボ スイカ ザクロ マスクメロン フサスグリ イチゴ ラズベリー リンゴ クロイチゴ

スパイス
ニンニク ペパーミント マジョラム オールスパイス ナツメグ

その他
マッシュルーム ヒマワリ キャラウェイ クルミ ココナッツ  ケツルアズキ
コーヒー  ゴマ ヘーゼルナッツ ココア

N. Sharon著レクチン第2版 シュプリンガージャパン発刊 p292より転載

で、これらのレクチンは豆類と違って熱耐性があるそーなんですよ。

ここでビビったんですが、含有量が豆類とは比較にならないほど低いこと、
少量のレクチンは免疫系活性化作用があったりして逆に有益だったり(植物レクチンの消化器系への生物学的作用: 代謝に対する影響と応用Pusztai, A.; and Bardocz, S.
The Rowett Research Institute, Bucksburn, Aberdeen, AB2 9SB, Scotland, UK)、最近ではがん抑制作用の研究もあったりして、なかなかあなどれないヤツでした。

総括して思うのは、同じ食品を大量かつ長期的連続的に与えないこと。
豆はしっかり煮ること。
このとき豆はタンパク質変成が起こるようにしっかり加熱(定説ですが煮汁が沸騰してればいいですから)することが重要でございます。
生煮えのダイズやインゲン豆は人間様でもハラ壊しますから。

豆類の中で比較的毒性が低いのがエンドウ豆で、これを芽だししたモヤシなんか人間も食べますね。
芽だしすると豆の中のタンパク質糖類は生分解されますし、芽が出るのに成長阻害物質なんか出ちゃ豆本体のほーが困りますんで、
たぶんにぐぐーっと更にレクチン量が減るんじゃないかと思われます。
なので豆苗食べてもだいじょうぶだと思います。
芽が出た豆は栄養分が芽を出すことに使われてしまうんで、スカスカのカスなので豆のほーは食べてもおいしくないというか、食べないと思います。はい。



その他のレクチンを含む食用植物に関しては、人間だってそうですが、個体によってはアレルギーを起こす可能性があること。
タンパク質ですからね。
私の鳥はへーきで燕麦(オーツ麦)をばりばり食べちゃってますが、ひょっとしたらあなたの鳥さんはお腹壊すかもしれないって可能性があるわけです。

それはもう個体差ゆえ識別不可能なので、なんにしろお野菜あげるときにはちゃんとお腹がゆるんでないか観察してあげてください。
http://dangobird.exblog.jp/11073361










食べてもいい野菜 悪い野菜
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あきらかに毒性がある植物、ケシとかトリカブトとかは省略。
園芸植物も野菜じゃないから食べさせる必然性が全くないので省略。ただし、うっかり室内に置きそうな園芸植物のみをピックアップ。
()内が主な有毒成分。生理作用は省略。


アブラナ科キャベツ コマツナ ブロッコリーなど(グルコシノレート→ゴイトリンに変換 )超過剰摂取しなければ心配ない

キョウチクトウ科キョウチクトウキョウチクトウ(オレアンドリンなど)絶対食べさせてはいけない

キンポウゲ科デルフィニウム (デルフィニン)絶対食べさせてはいけない 切り花注意

クスノキ科  アボカド(ペルシン)絶対食べさせてはいけない

・コバノイシカグマ科 ワラビ属ワラビ(プタキロサイド)

サトイモ科テンナンショウ属(シュウ酸カルシウム)、ザゼンソウ属、カラー ディフェンバキア ポトスなど(シュウ酸塩)観葉植物が多いので注意。絶対食べさせてはいけない

・シキミ科 シキミ(アニサチン)神棚に注意

トウダイグサ科 トウゴマトウゴマ(リシン)人間用の医薬品に注意 ヒマシ油など
トウダイグサハナキリン ポインセチア観葉植物に多いので注意

・ナス科 ナス属 未熟なトマトの実、茎、葉(トマチン ソラニン) ジャガイモの芽(ソラニン)未熟な部分、青い部分 葉や茎などは避けた方が無難
 タバコ属タバコ(ニコチン)絶対食べさせてはいけない
チョウセンアサガオ属・キダチチョウセンアサガオエンジェルストランペット(スコポラミン、ヒヨスチアミンなど)絶対食べさせてはいけない



バラ科 ウメ、リンゴ、ナシ、スモモ、モモなどの未熟な果実 種子(青酸配糖体)絶対食べさせてはいけない

ヒガンバナ科スイセン(リコリン)切り花注意


・ブナ科コナラ属クリ属、シイ属、ブナ属 などの果実 どんぐり類 (タンニン(渋み)サポニン )過剰摂取すると消化阻害 食べさせないほうが無難


マメ科 ダイズ属ダイズ (サポニン レクチン(植物性血球凝集素) トリプシンインヒビター)
 ナタマメ属 白ナタマメ以外のナタマメ (サポニン、青酸配糖体、有毒性アミノ酸のコンカナバリンAやカナバリン)
人間用の健康食品 うっかり鳥に食べさせないように インゲン豆属 インゲン豆 (レクチン )

マメ科にほぼ全種含まれるレクチンは加熱すると無害化する。
豆類は煮豆にすると安全。エンドウマメ(pea)は比較的毒性が低い。従って豆苗の芽の部分は生でも食べられる。ただしマメ部分は加熱した方が安心。インゲンマメ(bean)やダイズは加熱する方が安全。園芸植物のスイートピーはピーと名がつくが、エンドウマメ属ではなくレンリソウ属で毒性が強いので食べさせない事。野草のカラスノエンドウはソラマメ科だが毒性が低く、豆部分以外なら神経質になることはない。豆部分はやはり加熱するほうが安全。



ユリ科 タマネギ( N-プロピルジスルフィド) スズラン(コンバラトキシンなど)ネギ類は臭いも強く鳥は好みではないので食べさせる必要なし。
オニユリなど切り花にも注意

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